Aさん
Aさんは家族と話すような、ストレスがない状態では、自由自在に言葉を使って話しをすることができます。ですから、基本的にAさんは、気持ちを言葉にして話す能力が不足しているわけではありません。
しかし、肝心なときになると、いつもネガティブな心のブロックが作動してしまい、声が出てこないなどの身体にも異変が現れ、どうしても気持ちを言葉にすることができなくなります。
その結果、Aさんは真意が相手に伝わらず、誤解されてしまったり、断れずに余計な仕事を押しつけられるということが度々ありました。
スリーインワン・コンセプツ®では、このように自分の気持ちを伝えるたいのにネガティブな心のブロックが発動して、伝えることが出来ない状況をトレスと考えています。
何度も何度も肝心な場面で話すことができなくて、そのことにストレスを感じていたとしたら、 「ここで話しておくべきなのに、なんで、分かっているのにできないんだろう!」と、自分に対して腹正しく感じることもあるかもしれません。
では、どうして、肝心な場面になると、Aさんは話すことができないのでしょうか。
スリーインワン・コンセプツ®のセッションを通して、明らかになったのは…小学校2年生の頃、みんなで遊んでいる最中に、自分が思っていることを感じたままに正直に話したら、仲の良い友達から嫌われ、しばらく仲間はずれにされたという経験があったことを思い出しました。
とても仲良くしていた友達が、みんな自分を無視するという体験は、小学校2年生のAさんにとって、とても辛い体験だったことでしょう。
幼少期のAさん
その経験は、Aさんにとって、「恐怖と痛みを伴う体験」として脳にインプットされてしまいました。すると、同じ痛みや恐怖が二度と繰り返さないように、人は心のブロックを創り出します。
そのブロックは、以前と似たような場面に遭遇したときに、勝手に動き出し、行動を規制して、思い通りの行動を選択できない状態にするのです。
ネガティヴな心のブロックは、無意識に頭の中でささやかれる言葉として現れます。以前と似たような場面に遭遇すると、無意識に頭の中で言葉がささやかれます。すると、過去の恐怖が心と身体によみがえり、行動が規制されてしまうのです。
流れをまとめると、
●ネガティヴな心のサイクル
子供の頃に言いたいことを言ってみんなに嫌われた。
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「恐怖と痛みを伴う体験」として脳にインプットされ、それを避けるように心のブロックができた
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心のブロックは無意識に頭の中でささやく言葉 「いいたいことを言ったら嫌われるよ」
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過去と同じような場面に遭遇する。
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心のブロックが発動! 「いいたいことを言ったら嫌われるよ」
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恐怖心が甦り、喉が閉まる感じがして声が出ない
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結果、言いたいことを言わず、面倒な仕事を押しつけられた。
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「ああ、私はいいたいことを言えない人間なんだ」と再確認する。
このネガティヴなサイクルが何度も繰り返されることで、「いいたいことが言えない人間なんだ」という自己イメージが強化されてしまいます。すると、ますます分かっていてもできないし、選ぶことが出来ないというストレス状態に陥るのです。